さあ勝手に盛り上がってまいりましたよ!関谷による遅刻くんシリーズ。
今回は「遅刻くんと責任を感じる僕まだ8さい!」をお届けします。
そう遅刻くんとのさらなる親交を深めたのは、僕が「たかのぶくん」→「関谷尭信」へと少し大人になった小学2年の時だった。当時の僕は、身体が小さいことへのコンプレックスから、かなりアグレッシブだったので色々任されたり、人を引っ張るというよりは皆の調和をはかる、そんな奴だった。
だから僕はよく班長をやっていた。
その時の担任は、泣く子も黙る鬼の高橋先生。ちなみにめちゃめちゃ怖かった。目が鋭かったな。なんか刑事ドラマに出てきそうな若いイケメンの出来る奴って感じのイメージだ。
その高橋先生は、何をやるにもとにかく厳しかったので、よく怒られたものだ。
先生はよく決まり事を作って、僕らに「責任」という言葉の意味を学ばせようとした。のだと思う。
その中の一貫で「始着」という名の、「瞬歩」「牙突」に通ずる必殺技的ネーミングを施した、「始業のチャイムが鳴る前には着席する」という必殺技を僕らに身に付けさせようとした。
班長だった僕は班の誰かが「始着」を身に付けていないと、代表として僕が怒られてしまうので、とにかく気を付けさせた。
しかしある時の休み時間、僕は隣のクラスで楽しく盛り上がっていた。盛り上がりすぎて、「始着」のことなどすっかり忘れていたのだ。
そしてカーンと始業のチャイムが鳴り響き、僕にとっては終了のチャイムが鳴り響いた。慌てて、席に戻った時には既に遅し、高橋先生はかなり冷たい目で僕らを睨んでいる。
そして話し始めた。
※「」内の会話部分において、リアルな雰囲気を伝えるために若干過剰な表現が含まれています。ご了承下さい。
「この中に、約束を守れなかった班がいる。それはとても責任のある奴が起こしたことなんだが、思い当たる節のある奴は椅子の上に立て。他の者はそのまま立て。」
僕は泣きそうになるのをグッと堪え、椅子の上に立ち、自分の班員はそのまま立った。普通に立つのではない。椅子の上だ。最早晒しだ。晒し首だ。それはもう皆が良く見えた。丸見えだ。世界丸見えだ。
「お前班長じゃねえのか?あああん?」
「…そうです」
「お前何したかわかってんのか?あああん?」
「…わかってます」
「何したか言ってみろ!あああん?」
「…始着(技)出来ませんでした」
「出来なかったんじゃねえだろ(始着を)?やらなかったんだろが!(始着を)?あああん?」
「…そうです。出来なかったんじゃなくて(始着を)、やらなかったんです(始着を)」
「この時間ずっと立ってろ!あああん?」
「わかりました…グスン」
僕と班員はその授業中ずっと椅子の上に立たされ、みんなちょっと泣いていた。
それが遅刻くんと僕の親交が深まった瞬間だった。
その後高橋先生の担任が終わるまで僕は一度も始着を怠らなかったのだ。
それは言わば「始着の極み」
遅刻をするということは沢山の人に迷惑がかかるということだ。それを少し学んだ関谷尭信8歳。
るろうに剣心ネタをちょいちょい交えてお届けした「遅刻くんと僕まだ8歳!」でした。
まだまだ続く遅刻くんシリーズ!
次回は「遅刻くんと憧れる僕15歳」
では
また
関谷